第2章
レノン視点
インターホンの音で、私は跳ね起きるように目を覚ました。目がざらざらして痛い。昨夜からずっとソファで丸くなっていたのだ。昨日着ていた、ワインの染みがついたドレスのまま。
ドアを開けると、配達員が巨大な花束を抱えて立っていた。少なくとも五十本はあるだろうか。目が痛くなるほど鮮烈な赤の薔薇だ。
「スターリング夫人ですか?」
私は受け取りのサインをした。花束にはカラムの字で書かれたカードが添えられていた。「悪かった。俺が最低だったよ。今夜帰ったら話そう」
私は花をダイニングテーブルに置いた。高そうに見える。だが顔を近づけても、何の香りもしなかった。
正午頃、また別の届け物が来た。あの象徴的なブルーボックスだ。中を開けると、ダイヤモンドがあしらわれた音符のペンダントトップがついた、プラチナのネックレスが入っていた。繊細で、美しい。いかにもカラムらしい選択だ。何にでも使える謝罪の品というわけか。
放り出そうとしたその時、薄紙の下に隠れていたレシートが目に入った。ヘッダーには「ティファニー・ナッシュビル店」。日付は三日前。そして数量は……「2」。
私の手が凍りついた。二つ。彼はまったく同じネックレスを二つ買ったのだ。
私はスマホを掴み、インスタグラムを開いて「セレスト・モンロー」を検索した。彼女のアカウントは公開されている。「業界のコネクション」を維持するためだとか言っていたから。最新の投稿は昨夜のものだ。あの赤いドレスを着て、コンサートのバックステージでカメラに微笑んでいる。その首元には、プラチナのチェーン。ダイヤモンドの音符。私の手にあるものと、瓜二つのネックレス。
私はスクリーンショットを撮った。そして、ネックレスをゴミ箱に投げ捨てた。
三時になる頃、私はスターリング・レコードの駐車場に車を滑り込ませていた。招かれずにカラムのオフィスに来るのは、五年ぶりだ。ロビーは洗練されたモダンなデザインで、壁にはゴールドディスクやグラミー賞のノミネート証明書が並んでいる。どのアルバムも見覚えがある。すべてのリードシングルを書いたのは、私なのだから。
受付嬢が挨拶しようとしたが、私は無視してエレベーターへ直行した。カラムのオフィスは最上階にある。ドアは半開きで、中から話し声が漏れていた。
「レノンの才能は間違いない」カラムの声だ。「だが正直なところ、リック、彼女は感情的すぎる。ビジネスの側面には向いていないんだ」
私は立ち止まり、ドア枠に手をかけた。別の男が答える。「じゃあ、どうするつもりだ? 新しいアルバムにはリードシングルが必要だし、彼女の曲がなければ……」
「セレストに任せている」カラムが遮った。「彼女のほうが商業的な視点を理解しているからな。主要なプロジェクトは徐々に彼女へ移行させている。レノンには曲を書かせ続ければいいが、意思決定にはもっと信頼できる人間が必要なんだ」
「本気か? モンローさんには商才があるかもしれないが、創作力は……」
「創作力は育てられる」とカラム。「だがビジネスの嗅覚は天性のものだ。セレストには、俺が求めているハングリー精神がある」
私はドアを押し開けた。二人の男が振り向く。カラムの顔に驚きが走った。「レノン? どうしてここに……」
「ニューアルバムのリードシングルについて話しに来たの」私の声は、予想していたよりも落ち着いていた。「どうやら私の創作力は『間違いない』ようだから」
投資家が気まずそうに立ち上がった。「私はこれで」
「その必要はありません」私は彼に言った。「一つ質問があるだけだから。カラム、『夕暮れの光』の著作権クレジット、どうするつもり?」
『夕暮れの光』は先月私が書き上げた曲だ。カラムが次のアルバムの最有力候補だと言っていた曲。
「その話はしただろ」カラムは慎重に言葉を選んだ。「会社の曲はすべて、スターリング・レコードにクレジットされる」
「じゃあ、『エコーズ』はどうなの? 昨日の夜、あれはセレストの功績だって言ってたわよね」
「あれは彼女のビジネス面での貢献という意味だ」
「彼女、私と同じネックレスをしてたわよ」
部屋に沈黙が満ちた。投資家は私たちの顔を交互に見ると、静かに部屋を出て行った。ドアが閉まる音がした後、カラムはため息をついた。「あれはチームへの福利厚生みたいなもんだ」
「福利厚生、ね。じゃあ、チーム全員にティファニーのネックレスを配ったわけ?」
「主要なメンバーだけだ」
「嘘はやめて、カラム」
彼の表情が硬化した。「一体、俺を何だと疑ってるんだ?」
「私はあなたにとって何なのかを知りたいだけ。作曲の道具? それとも、それ以下に扱われているの?」
「お前の被害妄想は、俺のキャリアを台無しにするぞ」彼は苛立ちを隠そうともせずに言い放った。「セレストはビジネスパートナーだ。彼女によくするのは仕事のうちなんだよ。頼むから、そうやって感情的になるのはやめてくれないか?」
まただ。その言葉。「感情的」。
「今夜は会食がある」カラムは腕時計を確認しながら言った。「重要なクライアントだ。お前も来るんだ。みんなの前では普通に振る舞えよ」
「行きたくない」
「頼んでいるわけじゃない」彼の声が冷たく響く。「お前は俺の妻だ。その場にいる必要があるんだ」
レストランはダウンタウンにあり、ダークウッドと革張りのブース席が並ぶ重厚な内装だった。通された個室には、スターリング・レコードの社員と数名の主要クライアント、合わせて十五人ほどが座れる。セレストはカラムの右隣に座った。私は彼の左隣。まるで何かの暗喩のような配置だ。
「皆さん、妻のレノンです」カラムがグラスを掲げて言う。礼儀正しい微笑み。短い会釈。そして、注目はすぐにセレストへと戻っていく。
「セレスト、来期のマーケティング戦略について説明してくれ」クライアントの一人が促す。彼女は立ち上がり、タブレットを開くと、流れるようにプレゼンテーションを始めた。その話し方は滑らかで、プロフェッショナルで、自信に満ちていた。
「ソーシャルメディアでは、三つの企画を予定しています」彼女は説明した。「まず一つ目は、制作過程をお見せする『舞台裏』シリーズです」
それは私のアイデアだった。先月、自宅でノートに書き留めて、カラムに見せたものだ。
「二つ目は、毎週新人ミュージシャンを一人ずつ紹介する『アーティスト紹介』コーナーです」
それも私の提案だった。
「そして三つ目は、ファンの皆さんに参加していただける楽曲制作企画です」
これもまた、私のものだ。三つの戦略すべてが、三週間前に私がカラムに渡した企画書からの引用だった。今、それらはセレストの口から「彼女の構想」として語られている。
私はフォークを置いた。「その戦略は」声を潜めることすらせずに、私は言った。「私が三週間前にあなたに渡した提案書のものよね」
会話がぴたりと止まる。セレストが振り向いた。その顔には、完璧な困惑の仮面が張り付いている。「あらレノン、あなたもマーケティングに関わっていたの? 知らなかったわ。この分野はカラムから一任されていたから、てっきり……」
「てっきり、何?」
「あなたは曲作りに専念しているものだとばかり」彼女は優しげに言った。「それがあなたの強みでしょう? ビジネスの話なんて退屈だし面倒だわ。あなたの気を散らせたくなかったのよ」
数人が頷く。一人のクライアントが口を挟んだ。「ああ、クリエイターは創作に専念すべきだよ。商業的なプロデュースはプロに任せておけばいい」別の一人が付け加える。「セレストはこの手の才能が本当にあるからな」
私はカラムを見た。彼はスマホをスクロールしている。私の目を見ようともしない。
「失礼」私は立ち上がった。「お手洗いに」
私が席を立った瞬間、背後で笑い声が聞こえた。リラックスした、安堵の混じった笑い。まるで私がいないほうが、場の空気が良くなったとでも言うように。
洗面所で、私はサリバンにメッセージを送った。サリバン・グラント。父の旧友であり、業界でも指折りのエンターテインメント弁護士だ。「会いたいの。早急に」彼からは即座に返信が来た。「いつだ?」「明日」「わかった」
私は冷たい水で顔を冷やし、三回深呼吸をしてから席に戻った。戻ると、セレストが何か話し、カラムが笑っていた。あの、心からの、無防備な笑い声だ。私は席に滑り込み、スマホを取り出して、私たち夫婦の共同名義のクレジットカード口座を開いた。六ヶ月分の利用明細。ロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミのホテル。すべての「出張」の日付。
それからセレストのインスタグラムに切り替え、彼女の位置情報タグと照らし合わせる。ロサンゼルス、同日。ニューヨーク、同日。マイアミ、同日。一度の例外もなく、すべて一致していた。
「大丈夫か?」カラムが小声で尋ねてくる。私は顔を上げ、彼に微笑みかけた。「ええ、平気よ」彼は私の手をぽんぽんと叩いた。「よかった。あまり考えすぎるなよ」
考えすぎるな、か。でも、今の私にはすべてがはっきりと見えている。
帰りの車の中で、カラムが言った。「今夜のお前、本当に変だったぞ」
「そう?」
「クライアントの前でセレストを問い詰めたりして。プロらしくない」
私は黙っていた。彼は子供に言い聞かせるような、あの忍耐強い口調で続ける。「お前が軽く見られてると感じるかもしれないが、会社は拡大しているんだ。もっと人手が必要なんだよ。だからといって、お前が重要じゃないってわけじゃない」
「わかったわ」私は彼に言った。
「本当に?」
「ええ。完璧に理解したわ」
彼は安堵の息を漏らした。「わかってくれると思ってたよ」
家に着くと、彼はシャワーへ向かった。私はノートパソコンを開き、数ヶ月前にやっておくべきだった作業に取り掛かった。すべてのバックアップだ。あらゆる制作ファイル。すべてのデモ音源。手書きの歌詞の写真。すべてのタイムスタンプ。それらすべてをクラウドストレージにコピーし、サリバン宛てに、私が抱える法的質問を網羅した詳細なメールを作成した。著作権。離婚。財産分与。
カラムがバスルームから出てきたのと同時に、私は送信ボタンを押した。「もう寝ろよ」彼は言った。「明日は会議があるんだ」
「わかった」
彼が明かりを消す。暗闇の中、目を見開いたまま私は横たわっていた。結婚五年。たぶん、ずっと前に終わっていたのだ。私がそれを認めたくなかっただけで。
