第6章

レノン視点

 競業禁止契約。五年前に私がサインしたその書類は、当時カラムの言葉を借りれば「二人の共有利益を守るためのもの」だった。だが今、それは私の喉元に突きつけられた凶器と化している。私は携帯で短い返信を打った。「弁護士を通して。あなたには会いたくない」

 二日後、サリバンから電話が入った。「スターリングさんの弁護士が訴訟をちらつかせている。レノンさんが『スターリング・レコード』の評判を傷つけ、競業禁止契約に違反していると主張しているのだ」

「勝てる?」

「間違いなく」サリバンの声には揺るぎない自信が満ちていた。「レノンさんの創作活動に関する記録はすべてまとめた。手書きの楽譜、デモ...

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