第6章

 

「あの頃は、二人とも信じてなんかいなかったわ」私は最後の日記を閉じ、膝の上に置いた「お母さんが言っていた。すべてを失った女の恨み言だと、二人とも本気にはしていなかったって。でも、お姉ちゃんが結婚式の夜に死んでから……彼らはもう、信じないわけにはいかなくなったのよ」

早瀬千秋の死後、父は書斎に閉じこもり、三日三晩泣き続けて出てこなかった。母は夢の中で泣き叫んで目を覚まし、やがては涙の一滴すら枯れ果てた。二人は早瀬千秋の死を、自らに刻まれた永遠に癒えることのない傷跡へと変え、あの呪いの言葉を絶対に触れてはならない戒律として、その後私に行うすべてのことへ深く刻み込んだのだ。司がこの家に留まる...

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