第18章

VIP特別病室――その扉が、容赦なく蹴り破られた。

ガンッ、と扉板が壁へ叩きつけられ、病棟にまで響くほどの轟音が走る。

病室の中にあった温かな空気が、そこで凍りついた。

橘陸斗はベッド脇に腰を下ろし、白湯の入ったコップを片手に、杉山雨音の唇へそっと寄せているところだった。

杉山夕晴は、追い詰められた母狼のように胸を激しく上下させる。

よろめく足取りのまま病室へ突進し、握り締めていた検査報告書をびりびりと引き裂いた。

破片がふわりと舞い、雪のように落ちて――杉山雨音のシーツへ散った。

「満足した?!」

杉山夕晴は雨音の顔を指差し、喉が裂けるほどの声で怒鳴る。

「あたしの狼魂を...

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