第28章

「お前は父親と決裂して、自分の意思で江崎家の家系図から抜けた。いいだろう。あいつも望み通りにしてやった。外で野垂れ死んだものとして扱うだけだ」

清水拓海の声音はふいに和らぎ、そこにほんのわずかな憐れみが混じった。

「だがな……よりにもよって、女ひとりのために橘陸斗って狂狼に手を出したのが致命的だった」

「五年前の、橘陸斗がまだ盲目だった頃なら、江崎家はあいつなど恐れなかった。だが今は違う。あいつは目を取り戻し、最強のアルファになった。手段がどれほど苛烈か、お前のほうが俺より知っているはずだ。本気で殺す気になれば……死ぬのはお前だけじゃない。お前の母親まで、お前のせいでまとめて殺される」...

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