42、

「はい!」

橘瑛介は命令を受けるなり、すぐさま駆け出した。

時間だけが、一秒一秒と過ぎていく。

橘陸斗はその場で苛立たしげに行ったり来たりを繰り返した。

目を閉じるたび、脳裏に浮かぶのは――杉山夕晴が橘謙人に担がれていったあの瞬間、こちらを見た目。あの視線。

十分後、個室の扉が再び押し開けられた。

橘瑛介が息を切らして飛び込んでくる。その背後にはクラブの支配人。顔色は真っ青で、今にも倒れそうだった。

「……どこだ」

橘陸斗の視線が二人を薙いだ。

橘瑛介は氷みたいな青い目を直視できず、俯いたまま小さく告げる。

「アルファ……見つかりませんでした」

「見つからない? どうい...

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