44、

機械的な女声が受話口から流れ出す。まるで平手打ちを食らったかのように、橘陸斗の頬が熱くなった。

電源オフ。

――切りやがった。

「砰ッ!」

橘陸斗の掌の中でスマホがぐしゃりと潰れ、歪み、砕けた。欠片と部品が床に散らばる。

精神トポグラフィーの奥で、彼の黒焔の戦狼が哀しく鳴いた。

魂を引き裂かれるような痛み。それは橘の群れを率いるアルファの巨体さえ、わずかに震わせるほどだった。

橘陸斗はVIP病室の扉を押し開けた。

杉山雨音は病衣姿で、ベッドの背に半身を預けている。顔色はまだ白いが、昨日より幾分ましに見えた。

ベッド脇のテーブルには、粥と小鉢がいくつか並んでいる。

田中...

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