第27章 部長を震えさせる

私は佐藤雅子と電話しながら歩いていたが、気づいたら高橋清美の家の前に来ていた。

「あのさ、ちょっと用事があるからもう切るね、雅子さん、バイバイ」

言い終わると、彼女の返事も待たずに電話を切り、高橋清美とのチャット履歴を開いて、彼女が送ってきた文章に従って、彼女の家の鍵を探して開けた。

家に入るとそこは真っ暗で、何も見えない。高橋清美の姿も見当たらなかった。

「高橋部長?いますか?」試しに声をかけてみた。

返事がないので、ドアを閉めて家の中へと進んだ。

階段の前まで来たとき、もう一度声をかけた。「高橋部長、いますか?」

「そのまま二階に上がってきて」高橋清美の声が二階から聞こえて...

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