第25章

ここ数日、佐藤美咲はずっと寮で過ごしていた。田中真由と登下校も一緒。トイレに行くのも、図書館に寄るのも、ふと気づけば二人連れだ。季節はゆっくりと冷えていき、11月も半ばに差しかかるころには、生徒会がクリスマスパーティーの準備に追われ始めていた。

土曜の朝、美咲は長袖のシャツに青いジーンズというラフな格好で地下鉄に乗り、山田隼人の事務所へ向かった。

山田家、阿部家、佐々木家、田中家は金城市の四大家族と呼ばれている。山田隼人、阿部蓮、佐々木拓也、田中陸は「金城市の四人組」とまで持ち上げられ、なかでも阿部蓮が中心にいると言われていた。彼らが少し動くだけで、金城市の空気がざわつく。

山田隼人の...

ログインして続きを読む