第43章

阿部蓮は運転席側のドアに手を添え、軽く力を込めた。バン、と鈍い音。

ドアが閉まる。

男は校門前へ淡い視線を投げる。佐藤美咲の黄色い上着が、相変わらずやけに目立っていた。隣を歩く男子の白い上着が、その黄色に寄り添うみたいに並んで見える。

彼は視線を落として煙草に火を点け、しばらく黙って座ってからエンジンをかけた。車を切り返し、そのまま走り去る。

山田悠真が加わったおかげで、鈴木明里は一人で二役を回さずに済んだ。稽古の進みもぐっと早い。他の班は「山田悠真を呼べたらしい」と聞いて羨ましがったが、羨望は羨望でしかない。別に競争じゃない。期末試験なのだ。

一方、伊藤彩は委員長の班に入ったらしい...

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