第50章

渡辺光輝はうつむいたまま、がつがつと飯をかき込みながら言った。

「そうだよ。もう出た」

佐藤美咲は窓の外を見た。まだ空は暗い。撮影の人間にとって、こんな時間に起きるのは珍しくない。阿部蓮が「この数日、ちょっと出る」と言っていたけれど……。

「こんな早く?」と佐藤美咲。

「うん、かなり」渡辺光輝はうなずいた。どれほど早く、何をしに行くのかまでは口にしない。佐藤美咲は目の前のお粥を見つめ、昨夜の自分の推測を思い出して、また頭が痛くなった。

――そんなはず、ないよね。

朝食をかき込むように済ませ、三人で外へ出る。ちょうど佐々木富美子たちも連れ立って出てくるところだった。

昨夜、佐々木富...

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