第14章 常人には耐えられない痛み

「違う! 私はただ、辰哉が傷つくのが嫌だっただけ!」

桐生万理華はうろたえ、ぶんぶんと首を振って必死に言い訳した。瞬く間に目元が赤くなる。

だが桐生辰哉はふいに顔を上げ、熱を帯びた視線で桐生瞳を見据えた。

その瞳には、これまで一度も宿したことのない微かな希望が滲んでいる。

「俺が治療を受けるとして……治せる確率は、どれくらいだ?」

「8割」

桐生瞳は少し身をかがめ、真正面から彼の目を捉えた。狡猾で生き生きとした視線は小狐みたいで、自信たっぷりに口角をつり上げる。

「でもね、残りの2割は私に自信がないんじゃないの。あんたが“人間じゃない痛み”に耐えられるか、そこが読めないだけ」

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