第17章 彼女は骨董を鑑定できる

柊蓉子はその言葉を聞いた瞬間、「ひゅっ」と息をのんで、わざとらしく胸元を押さえた。顔には『ちょっと待って、嘘でしょ?』と書いてある。

「え、瞳! これで“いちばん普通”ってこと? じゃあ桐生んちのガレージに並んでる車、どんだけヤバいのよ! もうさ、人と比べたら腹立つだけ! 私らみたいな一般人、どうやって生きろっての!」

桐生瞳は唇を尖らせ、ついツッコミを入れる。

「柊家が一般なら、一般人はもう全滅してるって」

柊家もまた、帝都で名の通った名門だ。

ただし桐生家と比べれば、どうしても一段落ちる――それだけの差。

ふたりは少しじゃれ合ってから、骨董街へと足を踏み入れ、そのまま古芸軒へ...

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