第22章 彼女が見舞いに行くことに同意する

突如として話題を振られ、専属秘書はびくりと全身を強張らせた。心臓が喉元までせり上がる。

頭の中が真っ白になり、反射的に弁解しかける。

「わ……私は、わざとじゃ……」

言い切る前に、老夫人がふう、と息をついて言った。

「あなたも二十代でしょ。瞬と同じくらいの歳。いちばんいい時期なのよ。若い人はね、もっと派手に恋をして、今を楽しんで生きるべきなの」

「それなのに、どうしてあなたもあの子も、まるで俗世を断ったみたいな暮らし方をするのかしら。来る日も来る日も、年が変わっても、目に入るのは仕事ばかり。楽しみのひとつもないだなんて」

言い終えた老夫人は、何か思い当たったように目を細めた。疑い...

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