第23章 不快な接触

彼女が有頂天になっているのを見て、吉川は胸の内をすべて押し込み、そっと頷くしかなかった。

「うちのお嬢様はお顔立ちもお美しいですし、学歴だって申し分ありません。何を取っても本当に優秀です。あなたが誠実に向き合って、ゆっくり時間をかけて距離を縮めていけば……いつかきっと、御堂代表もあなたの良さに気づいて、本気で好きになってくださいますよ」

吉川のその言葉に背中を押され、桐生万理華の自信はいっそう膨らんだ。

翌朝。まだ空が白みはじめたばかりの時間に、万理華は自ら台所へ口を出し、滋養たっぷりの濃いスープを寸胴鍋いっぱいに煮込ませた。

身支度も抜かりなく整える。完璧に“いい子”を演じる準備を...

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