第24章 彼女が御堂百合子を害した

彼女の誘いを前にして、桐生万理華は妙に意地を張っていた。どうしても、自分の「優しくて気の利く女」の顔を見せつけたかったのだ。

ほどなくして、脂がぎらぎらと浮き、見るからにどろりと重たい濃いスープが、彼女の手でそっとベッド脇へ運ばれ、老夫人の目の前に置かれた。

むわっと押し寄せる脂の匂い。眺めているだけで胃がきりきりする。

老夫人は表情を崩さないまま、相変わらず穏やかに言った。

「ありがとうね。いい子だこと」

そう口では言いながらも、口をつける気配はまるでない。

桐生万理華の瞳に、ひと筋の落胆が走る。とはいえ強いる勇気もなく、黙って腰を下ろした。

老夫人は取りとめもなく、学業のこ...

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