第26章 彼女が手を出せば、心配はいらない

桐生瞳と同じく、御堂瞬も彼女を見た瞬間、目の奥に驚愕をありありと浮かべた。

ずっと会いたいと思っていた相手が、まさか今、この場に――。

言葉が出てこないまま、彼は一瞬、呆然と立ち尽くす。

だが、桐生瞳はすぐに視線を引いた。

今は老婦人の容体が危ない。気を逸らしている場合じゃない。

彼女は意識をベッドへ戻し、淡々と、しかし迷いなく処置を続けた。

院長はその隙に御堂瞬のそばへ小走りで寄り、声を落として、先ほどまでの経緯を一から説明する。

要するに――老婦人の発作は、このケアセンターに責任はない。

そして、危うく祖母を死なせかけたのが桐生万理華で、しかも彼女は老婦人を置き去りにして...

ログインして続きを読む