第33章 お前は遺産が欲しいだけだろ?

桐生瞳は、御堂瞬の――育ちの良さを隠しもしない、あの淡々とした顔を思い出した。

それとまるで釣り合わないほど、恐る恐る送られてきたあのメッセージ。

唇の端が、勝手にゆるむ。

「ううん。すごく丁寧だったよ」

「それならよかった」

松下淑子はほっと息をつき、それから何か思い出したように目を輝かせた。

「そうだ、瞳。おばあちゃんの体がもう少し良くなったら、会わせたい人がいるの」

「誰に?」

「おばあちゃんの友だちよ。前に話したでしょ。最上階のVIP特別病室にいる人」

松下淑子の声に、懐かしさが滲む。

「昔はね、まだこんなに弱ってなかった頃は、よく一緒におしゃべりして退屈しのぎし...

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