第45章 彼女の身になぜ御堂瞬の匂いがあるの?

桐生瞳が帰宅した頃には、本邸はすっかり寝静まっていた。

出がけに桐生辰哉へ一通り鍼を打ち、両親には「今夜は帰りが遅くなる。夕飯はいらないから待たなくていい」と伝えてある。だからメインリビングの灯りも、もう落ちていた。

キッチンで水を一杯注ぎ、アイランドに寄りかかってゆっくり喉へ流し込む。頭の中を占めるのは、結局また師匠のことだった。

柊蓉子が言うには、彼女の家の情報筋が以前、東南アジアのある港で、師匠に酷似した男を目撃し、写真まで撮ったという。

実際、桐生瞳もその写真を見た。顔立ちも体格も、確かに合致している。

ただ、画像は少し荒く、距離もある。百分の百、本人だと断言できるほどでは...

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