第54章 彼女にはまだどれほど秘密があるのか?

午前10時、パークプレイス。

桐生瞳が着いた頃には、朱雀はもうずいぶん前から待っていたらしい。

仕立てのいい黒いトレンチコート。ベンチに寄りかかり、眉も目も冷えきった刃みたいで、通りすがりの人間が無意識に距離を取って避けていく。

――なのに、足元には、ぱんぱんに膨れた大きな袋。

瞳を見つけると朱雀は立ち上がり、その袋を差し出した。

「はい」

「何これ……」

受け取って覗き込むと、中身は輸入菓子の山だった。チョコやキャンディがぎっしり、さらに箱入りのマカロンまで、やけに上品な包装で鎮座している。

「なんでこんなの買ったの?」瞳は顔を上げて朱雀を見る。

朱雀は無表情のまま視線を...

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