第62章 彼女にあまりにも失望した

しばらく沈黙が落ちたあと、彼はようやくゆっくりと言葉を紡いだ。

「――俺たち家族みんなが、あいつを大事にしてきた。だからこそ、あいつが君にあんなことをしたのが、どうしても許せないんだ」

「桐生家は十数年もあいつを育てて、何不自由ない暮らしをさせてきた。実の娘みたいに可愛がって……あいつはそれを全部受け取ってきたのに、君が戻ってきた途端、感謝して歩み寄るどころか、君を陥れようとした」

「薬を盛るなんて話が外に漏れたら、周りはどう見る? 桐生家の娘は恥知らずだって言われる。君まで同じ目で見られる。しかも、薬は君が渡したって言い張ったんだろ。結果がどうなるか分かってて、ああいうことをした……...

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