第102章 山本宏樹の失踪

「それは分かっているわ。もう言わなくていい」

 私は森本友紀の言葉を遮り、こめかみを揉んだ。

「今はそんなことを話している場合じゃないの。急いでお茶の用意をしてちょうだい。和田グループの方々がいらした時、決して粗相のないようにね」

 森本友紀は短く返事をすると、背を向けてお茶の支度に向かった。

 私が会議室に腰を落ち着けた矢先、廊下から足音が聞こえてきた。間髪入れずに秘書がドアを開ける。

「奥様、竹中グループの皆様が到着されました」

 私は立ち上がって出迎え、顔に非の打ち所のない笑みを張り付けた。

「山本グループへようこそお越しくださいました。今回の提携プロジェクトの責任者を務...

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