第123章 チャンスを掴む

私は首を横に振り、頭をもたげる雑念を振り払った。

今、何より優先すべきは離婚のことだ。余計な感傷に浸って、決意を鈍らせるわけにはいかない。

それから数日間、私はただひたすらに今井寛からの連絡を待ち続けた。

山本宏樹が再び姿を見せることはなく、そのことだけが、張り詰めた私の心をいくらか安堵させてくれた。

石川萌香は毎日見舞いに来てくれたし、時には美味しい差し入れを持ってきてくれることもあった。

「美玲、やっぱ福田先輩っていい人だと思うし、ちょっと考えてみたら?」

石川萌香はリンゴを齧りながら、モゴモゴとした口調でそう言った。

私は呆れて白目をむく。

「萌香、適当なこと言わないで...

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