第17章 山本宏樹が彼女を家に連れて帰った

彼が女を家に連れ込むのは初めてではない。何を今更驚くことがあるだろうか。

私は特に気に留めず、ただちらりと目をやった。松田未菜が友人グループに投稿したものだった。

キャプションにはこう書かれていた。『山本さん、今日から私たち、お家ができたね』

その下には九分割された写真が添えられていた。

松田未菜の自撮り写真、そして山本宏樹の後ろ姿の写真。

さらに重要なのは、九分割の中心に置かれた、ある寝室の写真だ。

一目見て、それが私と山本宏樹の寝室だとわかった。

三年間も住んでいたのだ。誰よりもよく知っている。寝室のシーツや布団カバーはすっかり替えられていたけれど、それでも私にはわかった。...