第18章 目薬

私は携帯を傍らに置いた。しばらくして、ようやく涙を拭った。長谷部先生は、今の私は感情的になってはいけないと言っていた。山本宏樹のために、この命を投げ出す価値はない。

資料を整理し終えると、私は設計図の作成に取りかかった。

仕事に没頭していると、悲しみも薄れ、ずいぶんと気分も晴れてくる。

今のところお金の心配はないし、術後の回復も順調だ。すべてが少しずつ良い方向に向かっている。未来はきっと明るい。

数時間かけて、ようやく初稿を完成させた。

初稿を和田さんに送ると、彼はとても満足してくれたが、いくつか細部の修正が必要だとのことだった。

和田さんが指摘した細部についてじっくり考えてみた...

ログインして続きを読む