第183章 子供に罪はない

山本宏樹が松田未菜に対して、あんな口を利くのを耳にするのは初めてのことだった。

 これまでは、いつだって彼女を庇っていたというのに。

 それが今、こうして衆人環視の中で彼女の顔を潰したのだ。

 松田未菜は唇を噛み締め、その瞳に一瞬だけ悔しさを滲ませる。「……はい、分かりました」

 山本宏樹はこちらに視線を向けた。「美玲、ちょっと社長室まで来い」

 彼の後について社長室に入り、扉を閉ざす。彼は私を見つめ、声を落とした。「美玲、大丈夫か?」

「ええ、何ともないわ」私は小さく首を横に振った。

「悪かった。俺の処理が甘かったせいだ」山本宏樹が頭を下げる。その眼差しは真摯で、まるで心から...

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