第20章 ミグちゃんを養子にする

顔を上げると、森本友紀が機嫌を取るような表情でこちらを見ていた。

不意に、微かなかすれた子猫の鳴き声が聞こえた。

「まさか、子猫を連れてきたの?」

鳴き声は、ドアの外から聞こえてくるようだ。

「この子、まだ生後二ヶ月くらいで、たぶん離乳したばかりなんです。道端でミャーミャー鳴いてて、見てると本当に可哀想で。車もたくさん通ってたし、万が一轢かれたらどうしようって。轢き殺されたら大変だと思って、連れてきちゃいました」

森本友紀の期待に満ちた瞳を見ていると、私の心は思わず和らいでしまう。

「その子猫、こっちへ連れてきて見せてちょうだい」

森本友Kはとても嬉しそうに言った。「木村姉さん...

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