第21章 くっつき虫のミグちゃん

「木村姉さん、本当に優しいんですね。最初は彼を引き取ってくれないんじゃないかって心配してたんです」

私は微笑むだけで何も言わず、そっとミグちゃんの頭を撫でた。彼は人見知り一つせず、一時間ほどで私に懐き、もう手にすり寄って甘えてくる。

彼のお腹を触ってみると、少しへこんでいる。私は森本友紀に訊ねた。

「この子、お腹が空いてるんじゃない?」

森本友紀はぽんと頭を叩いた。

「そうだ、まだご飯を食べてないんだ。捨てられてから何も食べてないだろうし、今頃お腹ぺこぺこに決まってる。木村姉さん、ちょっと待っててください。今すぐキャットフードを買いに行ってきます」

森本友紀は慌ただしく出...

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