第22章 不意の客

「山本宏樹、私を脅すこと以外に何ができるっていうの?何でもかんでも私のせいにしないでくれる。それにあなた、浮気相手を作る甲斐性はあるくせに、彼女を守る甲斐性もないなんて、それでも男?」

私は鼻を鳴らした。

「何かあれば女に当たり散らすだけ。山本宏樹、あなたにはその程度の能しかないのね」

言い終えると、私は彼の返事を待たずに電話を切り、携帯を脇へと放り投げた。得体の知れない怒りが胸の内に込み上げてくる。

ミグちゃんは私の感情を察したのか、ベッドから飛び降りてきて、私の足に体を擦り寄せ、「にゃー、にゃー」と鳴いた。まるで慰めてくれているようだ。

私はしゃがみ込んでミグちゃんを抱き上げ、...

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