第221章 彼が元気でいてほしい

石川萌香は私のベッドの端に腰を下ろすと、優しく背中をさすってくれた。

私は彼女を見つめ、強張る頬を緩めて無理やり微笑んだ。

「安心して、萌香。もう大丈夫だから……。私とあの人の関係なんて、とっくに冷めきっていたもの。だから、これでよかったのよ。きっと、これが最善の結末」

今となっては、山本宏樹に対してどのような感情を抱いているのか、自分でも言葉にできない。

恨んだこともあった。憎んだこともあった。けれど、心から愛していたのも事実だ。

生涯で愛した男性は、彼ただ一人だった。

山本宏樹に嫁げば、共に白髪が生えるまで添い遂げられると信じていた。

過去の誤解だって、いつか解けると高を括...

ログインして続きを読む