第222章 もう彼の尻拭いはしない

なかなか寝付けず、長い時間をかけてようやく浅い眠りに落ちたところだった。

翌朝、けたたましい着信音に意識を無理やり引き戻される。

重い瞼を開けて画面を確認すると、表示されていたのは中村治郎の名前だ。

ここ数日の傾向からして、彼が私に連絡を寄越すのは決まって山本宏樹と連絡がつかない時だ。そのとばっちりが、私に来るというわけだ。

私は山本宏樹の戸籍上の妻ではあるが、夫の居場所さえ把握していないのが現状だった。

「奥様、竹中グループの方がお見えになっています。山本社長との面会を求めておられるのですが、社長はずっと松田さんの看病につきっきりで、手が離せないと……」

私はズキズキと痛むこめ...

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