第243章 私に償うチャンスをくれ

山本宏樹はそっと腕を抜き、正面から答えることなく淡々と言った。

「飯にしよう。もう頼むな、十分すぎる」

私は思わず微笑んだ。どうやらこの後、面白い見せ物がありそうだ。

実のところ、少しばかり期待している自分がいる。

松田未菜は山本宏樹の限界線を何度も踏み越えようとしているが、彼の忍耐は果たしていかほど残っているのだろうか。

男の情熱というものは、いずれすり減っていく。

一人の男が一人の女に向ける愛情の量にも、おのずと限りがあるのだ。

今の山本宏樹は松田未菜を甘やかし、愛しているからこそ、彼女を庇っている。

だが、もしもいつの日か、松田未菜がその愛情をすべて使い果たしてしまった...

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