第273章 奥の手を残す

私は石川萌香の手にそっと触れた。

「怖がらないで、萌香。私たちがずっとそばにいるから」

「奴らだって、法廷に出る勇気なんてないはずよ」

「そうやって脅してくるのは、後ろめたい証拠。安心して、萌香。私たちは絶対に勝つから」

「でも、他にも何か仕掛けてくるんじゃないかって、心配で……」

森本友紀がそばで憤慨したように声を上げた。

「やれるもんならやってみればいいじゃない! 白昼堂々、何ができるっていうのよ」

私は眉をひそめ、少し考えてから口を開いた。

「友紀の言う通りだけど、油断は禁物ね。萌香、しばらくはなるべく外出を控えて。どうしても出かけなきゃいけない時は、必ず私たちに言って...

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