第280章 決して頭を下げない

石川萌香は拳をぎゅっと握りしめた。

「このまま黙って待っているわけにはいかないわ。私たちも何か手を打たないと」

私は頷いた。

「そうですね。ただ結果を待っているだけじゃダメです。私たちも動かないと。でも、今何ができるんでしょうか」

「お金で解決するっていうのは?」

森本友紀が唐突に口を開いた。

私は首を横に振った。

「無理です。戸沼航も院長も、底なしの強欲ですよ。もし今回お金で穏便に済ませたとしても、それは一時しのぎに過ぎません。次はもっと図に乗って要求をエスカレートさせるはずです」

「ええ、奴らの狙いは当時の契約書を持ち出して、私から大金を脅し取ること。もしここで言いなりに...

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