第296章 こんなに楽しいのは久しぶりだ

ほどなくして、カートの中は色とりどりの食材で埋め尽くされた。

帰宅するや否や、福田翔陽はキッチンに直行し、慌ただしく立ち働き始めた。

「先輩、野菜を洗うの、手伝いますよ」

彼がキッチンでずっと忙しそうにしているのを見て、私はなんだか申し訳ない気持ちになった。

しかし福田翔陽は私の肩を掴むと、キッチンから押し出すようにして言った。

「ただの食事作りなんだから、君に手伝ってもらうまでもないよ。木村家の長女殿は、ソファでゆっくり休んでいてくれ」

「君はただ、ご飯ができるのを待っていればいいからさ」

福田翔陽の優しげな声に押し切られ、私はおとなしくソファに座って休むことにした。それでも...

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