第366章 子供を産む

松田未菜の名前を聞いても、私の心は少しも波立たなかった。実際のところ、山本宏樹が本当に会社へ行ったのかどうかは定かではない。だが、長年連れ添った私の直感からすれば、十中八九、松田未菜に会いに行ったのだろう。

もちろん、祖母の前でそのことを口にするつもりはない。ただでさえ闘病中なのだ。これ以上、ショックを与えるような真似はしたくない。

「美玲、お祖母ちゃんね、昨日の夜考えてみたんだけど、やっぱり宏樹との間に早く子供を作ったほうがいいと思うの。結婚してもう三年になるのに、まだ授からないでしょう。これじゃあ夫婦の絆にも良くないわ。夫婦っていうのは、ある程度の年齢になったら、子供を設けて家庭を円...

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