第406章 契約に誤りあり

確かに、私は彼を疑っていた。だが、黒山弘通のほうから切り出してくるとは思っていなかった。

ここまで話が進んだ以上、こちらも腹を決める。

私は顔を上げ、まっすぐに彼を見る。

「黒山弘通。会社の責任者として、私は社内のあらゆる事柄に警戒していなければなりません。まして今は重要な時期です。あなたはつい先ほど山本社長の秘書に任命されたばかり。それに松田未菜の推薦で入ってきた人でもある」

一拍置いて、隠すことなく続けた。

「あなたもご存じでしょうけど、私と松田未菜は関係がよくありません。それに、あなたのこともまだ十分に分かっていない……」

黒山弘通はふっと笑った。驚いた様子はない。

「木...

ログインして続きを読む