第412章 土壇場の一蹴りに問題が出る

黒山弘通は傷口にそっと触れ、顔を上げてこちらに笑いかけた。

「木村さん、ぜんぜん痛くないですよ。かすり傷みたいなもんです。俺、男なんで、そんなヤワじゃないですし。ご一緒します」

そこまで言い張られると、こちらもそれ以上は言えなかった。

「……じゃあ、お願い」

書類と契約書を手に、会議室へ向かう。北村社長と会うためだ。

会議室に着いたものの、北村社長の姿はまだない。時計を見ると、あと十五分。

……なぜだろう。胸のあたりが、落ち着かない。

一分一秒が妙に長い。約束の時間になっても、北村社長は現れなかった。

眉を寄せ、スマホで北村社長に電話をかける。だが、出ない。

不吉な予感が背...

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