第416章 身代わり

ふっと視界が揺れて、目の前が白く霞んだ、その瞬間だった。力強い大きな手が、私の身体をしっかり支えてくれる。

腰に添えられた掌。そこから伝わる熱が、じわじわと体の奥へ沁み込んでいった。

しばらくして息を整え、顔を上げる。逆光に浮かぶ輪郭――黒山弘通だった。

ぼんやりと見える彼の顔立ちは、濃い眉に大きな目、高い鼻梁。線がはっきりしていて、肌は白く、光を含んでいる。大学を出たばかりのような、透明感と若さが残っていた。

黒山弘通は、整った顔をしている。

山本宏樹や福田翔陽とは、まるで別のタイプだ。

その瞳の奥には、今、あからさまな心配が満ちていた。

「木村さん、大丈夫ですか?」

声に...

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