第421章 君の勝ちだ

山本宏樹が振り上げた手は、結局落ちてこなかった。彼は私を睨みつけ、複雑な色を宿した目で言う。

「木村美玲、お前……変わったな。今のお前は理屈も通らないし、自分のことしか考えてない。頭の中は損得ばっかりだ」

「私が変わった? あなたが最初から、私のことをちゃんと分かろうともしなかっただけよ」

冷えた視線を向けた瞬間、胸の底から押し寄せる失望が、波のように膨れ上がった。

彼はしばらく硬直したまま立ち尽くし、やがてふっと力が抜けたように手を離す。よろよろと後ずさりし、そのままソファに崩れ落ちた。

「……そうだよ。俺はお前を、ちゃんと分かってなかった。じゃあ大学で付き合ってたのは何だったん...

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