第百十一章

二人は息を合わせるように、言葉の端々に棘を忍ばせながらも、あくまで友人同士の他愛ない冗談であるかのように笑みを浮かべていた。

琴音は怒りのあまり気が狂いそうだった。

彼女は身じろぎもせず、スカートの裾を指が白くなるほどきつく握りしめていた。それでも顔には相変わらず可哀想な被害者のような表情を貼り付け、雨風に打たれた清純派のヒロインを演じきっている。

二人の嘲笑を浴びながらも、彼女は下唇を噛んで反論せず、ただ静かに座っていた。周囲の誰かが見かねて自分を庇ってくれるのを待っているのだ。

またこのお馴染みの手口。昔から、琴音は詩音を相手にする時いつもこの手を使っていた。

だが今日、この店...

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