第112章

琴音は伏し目がちになり、目尻をうっすらと赤く染めていた。ちらりと和也を見上げたかと思うと、またすぐに顔を伏せ、消え入るような声で呟く。

「和也……私って、みんなから嫌われてるのかな」

和也は眉をひそめ、即座に打ち消した。

「そんなわけないだろう」

彼の手が彼女の腕を滑り降り、その小さな手をしっかりと包み込む。親指の腹で手の甲を優しく撫でながら、一切の疑いも挟ませない力強い口調で言った。

「お前みたいに優しい子を、嫌う奴なんていないさ」

「でも……」

琴音は長い睫毛を震わせ、下唇をぎゅっと噛み締める。その声には、抑えきれない自責の念が滲んでいた。

「じゃあ、どうして詩音は私のこ...

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