第百二十八章

カフェの二階にあるテラス席。

七月は小首を傾げ、観葉植物の隙間から視線を送っていた。詩音を乗せた車がゆっくりと駐車スペースから出ると、大通りの車列に合流していく。テールランプが二度点滅し、角を曲がって、その姿は完全に消え去った。

「あの女、いい気になっちゃって」

七月は唇を尖らせて視線を戻す。その口調には、どう押さえつけても滲み出てしまう嫉妬と苛立ちが混じっていた。

「さっき、思いきり鼻で笑って痛い目見せてやればよかったんだわ!」

ぎゅっと拳を握り、テーブルをドンと叩く。カップとソーサーがカチャリと甲高い音を立て、中のコーヒーが波打ってあわやこぼれそうになった。

先ほどの光景を思...

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