第13章

寝室に戻ると、詩音はドレッサーの前に腰を下ろした。

鏡に映る自分の顔が、見慣れているはずなのにひどく他人のように思える。

五年の歳月は、少女のような無邪気さを削り落とし、あとに残ったのは冷ややかさと疲労の色だけだった。

五年の青春を代償にして、ひとりの人間の本性を見極められたのだから、安いものかもしれない。

むしろ幸運だった。あの時、あの父子の歯ブラシをこっそり持ち出し、親子鑑定に踏み切った自分を褒めてやりたいくらいだ。

我に返った詩音は、立ち上がってバスルームへ向かった。

その頃、一階では散歩から戻った賢治が、和也を書斎に呼びつけていた。

三十分後、和也が険しい顔つきで書斎か...

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