第14章

バタン!

和也が寝室のドアを乱暴に閉め、鼓膜を劈くような音が響き渡った。

部屋には一瞬にして詩音だけが取り残された。荒い息を吐き、足はまだ少し震えている。

琴音からのあの電話は、あまりにも絶妙なタイミングだった。

もしあのまま事態が進んでいたら、自分がパニックに陥ってどんな激しい抵抗をしてしまったか、想像するだけで恐ろしい。

大騒ぎになって階下の賢治を驚かせでもしたら、その後には際限のない問い詰めが待っている。

離婚を前にして、これ以上煩わしい揉め事の相手をするのはご免だった。

和也は今夜、十中八九もう帰ってこないだろう。

髪を乾かし終え、詩音はようやく再び眠りについた。

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