第21章

悟?

詩音は少しだけ眉を上げ、内心で首を傾げた。あの方から、お礼の連絡だろうか?

深く考える間もなく、再びスマホが震え、二件目のメッセージがポップアップした。

『今日、時間はありますか? 食事でもご馳走したいのですが』

詩音の瞳の奥に、微かな光が走った。

悟ほどの立場の人間なら、普段は目が回るほど忙しいはずだ。先日ちょっとした手助けをしたとはいえ、せいぜい秘書に謝礼の品を届けさせて終わりだろうと思っていた。

まさか、本人が直接誘ってくるとは。

詩音はもったいぶるような性格ではない。その場ですぐに了承の返信を打った。

時間を合わせると、手元の作業を一気に加速させる。

葵にこの...

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