第23章

そのか細い呻き声に、詩音の眠気は一瞬で吹き飛んだ。

勢いよくソファから跳ね起きると、急な動作のせいで目の前が真っ暗になった。

蓮が突然、苦しいだなんて言い出すなんて。

結局のところ、五年間も手塩にかけて育ててきた子だ。しかも、まだあんなに幼い。電話の向こうから聞こえてくる、押し殺したような泣き声に、詩音の心はやはり揺らいだ。

スマートフォンを耳に押し当て、震える声で問いかける。

「蓮、ママに教えて。どこが痛いの?」

「ママ……」

蓮のくぐもったかすれ声。

「頭がすごく痛いよ……体に力が入らないの……ママ、ぼく、死んじゃうの……?」

「馬鹿なこと言わないの!」

詩音はきつく...

ログインして続きを読む