第27章

和也の声は次第に大きくなり、怒気を孕んだ叱責が社長室全体に響き渡っていた。

ふと何かを思い出したように、彼は机に積まれた書類の山から一冊を乱暴に引き抜き、力任せに詩音へ向かって投げつけた。

「いつから俺の権限を越えるような真似ができるようになったんだ!」

書類が飛んでくる角度は予想外だった。避ける間もなく、詩音は腕に鋭い痛みを感じた。書類の鋭い縁が、彼女の肌に細長い血の筋を引いていた。

彼女は小さく息を呑み、眉間を寄せて無意識に二歩後ずさる。

伏し目がちに腕の傷を確認し、大したことはないと分かると、身を屈めて床に散らばった書類を拾い集めた。

詩音がうつむいたまま書類をめくっている...

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