第48章

彼女は言葉を区切り、先ほどまでひそひそと噂話をしていた者たちへ視線を向けた。その瞳の奥に、微かな嘲りが浮かぶ。

「まさか、プロジェクトの機密事項をこんな大勢の前で話し合えとでも?」

群衆の中から、おずおずと疑問の声が上がった。

「でも……契約書にサインされているのは、悠の名前じゃないか」

詩音はすかさず冷ややかな声で言い返した。

「私が兄の代わりに交渉して、何か問題でも?」

その一言に、誰もがぐうの音も出なくなった。

『提携』という言葉が耳に飛び込んできた瞬間、和也の目に宿っていた激しい怒りが一気に引いていき、代わりに深い驚愕が広がった。

無意識に二歩前に出ると、詩音のスマホ...

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