第58章

雪見家の面々が浮かべる何か言いたげな表情に、詩音の胸はぎゅっと締め付けられた。

まさか……本当に死人が出たの?

詩音は下唇を強く噛み締めた。

もし本当に死人が出たとなれば、たとえ自分が被害者であっても、その後の厄介事で泥沼に引きずり込まれるのは目に見えている。

どうにか口を開くと、こぼれ落ちた声は想像以上に掠れていた。

「本当に……死んだの?」

武治はそれを見て深くため息をつき、手を振ってなだめた。

「落ち着きなさい。死んではいない」

詩音は呆然とした。

死んでいない? なら、この世の終わりのような顔は一体何なのだろう。混乱したまま、両親の沈痛な面持ちを交互に見つめる。

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